この度、Morph氏主催の誕生日EPシリーズ「Morph EP」最新作『Morph EP 5 [Maze of the Weirdland]』に組曲 構成の変拍子 曲である『Jyuuniyou ~十二様 (序)・寿烏丹妖・十二瑶・銃に酔う・十二瀛・呪雨逃羊・十二様 (結)~』 で参加致しました!
【EP公式サイト】
morph2022.lolicore.jp
※なんと各収録曲の使用拍子をアニメーションしてくれます! スゴい!そしてDownloadの所のアニメーションを眺めてみると・・・・・・
尚、Morph EPの過去シリーズもヤバい曲がいっぱいあるのでDLして聴いてみよう!!
Morph EP3 [Mistake /Wrong ]
lolicore.jp
Morph EP 4 [Mex World!?]
lolicore.jp
②参加曲の構成が固まるまで
【2021年2月~4月】
「折角Morph氏のEPに参加するんだからメジャーどころ(5拍子とか7拍子とか)よりはあまり掘られていない拍子の方が良いよな~~」と思い、第三回BMS 衆議院 選で案の一つとして思いついていた10拍子で曲を作ることを考えました。
→結果的にMUMEI academy用に回すことになるが、BMS 化が間に合わず不参加。一応完成の目処が立った曲のデモがこちら↓
【2021年4月~9月】
10拍子の延長で曲を組もうとするが新規のアイディアが思いつかず、MUMEI academyや主催イベント『Be Music in the Dark ~BGA 禁止BMS イベント~』の準備等で殆ど進行していませんでした。
【2021年9月~12月】
過去のツイートを見返していたら、昔呟いていた
変拍子 プログ・トランスのことを思い出したので、15拍子トランスの作成を試みることに。
→作っていてEPの雰囲気に合わないと感じた(その上、M-kani氏が同じ15拍子の曲のデモを投げていた)ため、PABAT!2022用に回すことを決断。
【2021年12月~2022年2月】
別の案を考えていたところ、仕事中に突如「十二様 (jyuuniyou)」 というフレーズが降ってくる。
良さげなアイディアを思いつくときは大体仕事中
十二というタイトルからそのまま12拍子をキーとすることを決め、10拍子の曲の構成中に思いついていた「拍子を1から小節ごとに1つずつ加算・減算する」というアイディアを組み合わせ、そして「組曲 構成にして複数の拍子構成パターンを試してみるというのはどうだろう?」と考えつき、「各パートのタイトルの読みは(jyuuniyou)で統一」「パート数をシンメトリック になるよう奇数にする」等の仕様が徐々に決まっていきました。
ちなみに最初はパート数をタイトル通り12パートにする事も考えていましたが尺が長くなるのと、自分の実力ではバリエーションで間を持たせられないと思ったため7パートに減らしています。
③参加曲の曲構成について
参加曲「Jyuuniyou」 は<序・パート1~5・結>からなる7パート とその間を繋ぐ短いSE的な6つの繋ぎによって構成されています。
BPM は全て12の倍数 で、拍子の拍数の増減や各パートのタイトルの文字数はシンメトリック を意識しています。
BPM :120(2小節のイントロのみBPM48の4/4)
拍子:1→12のように拍が1ずつ加算
拍が1ずつ加算される単調な和音を、弾いている2つのトラック間のクロスフェード やエフェクト調整する事で迷宮感を醸し出すようにしました。
が、ピアノとベースだけだとあまりにも単調すぎるので、イントロから薄くパッド音を加えています。
①:寿烏丹妖
BPM :156
調:D Major
拍子:1→12→1のように拍が1ずつ加算・減算
完成するのに一番時間がかかったパートです。
和風のスケールを使ったリフのフレーズや音色選択(最終的にはピアノに)が固まらず中々苦労しました。
(サブベースを抜くと低音域がスカスカに聞こえるくらい)中音域に音が集中しすぎたためになかなか音量調整が難しかったのも一因かなと感じています。
結果的に聴いていて「寿」っぽさがあまり出せていない仕上がりに・・・・・・
②:十二瑶
BPM :96
調:C Miner
拍子:1→12のように拍が1ずつ加算
玉っぽい感じのサウンド をLiveのプリセットから探しつつ、アンビエント なゆったり感を演出してみました。
③:銃に酔う
BPM :1440(BPM720の1~12/8相当)
調:A#(b♭) Major
拍子:1→12→1のように拍が1ずつ加算・減算、を2回繰り返し
当時、エクスラトーンにハマっていたのでエクスラトーンなパートを入れてみたいと思い、Liveで試したらそれらしいビートは簡単に作れたので採用。
しかし、プラグイン でビートに色々変化を付けてみるも中々上手くいかず。
最終的に背景に不穏な響きのパッド音を加えて完成させました。
④十二瀛
BPM :72
調:G#(A♭)Minor
拍子:12→1のように拍が1ずつ減算
「瀛 」は”ゆったりとした海”という意味を持つ漢字で、漢音読みである「エイ」と読むことが多いのですが、呉音読みでは「ヨウ」とも読むためタイトルに採用。
字義通りゆったりとした大海を航行していくようなイメージで作曲しています。
⑤呪雨逃羊
BPM :132
調:F#(G♭)Major
拍子:1→12→1のように拍が1ずつ加算・減算
大雨の中、雨から逃れようとする一匹の羊の情景を描いているパートです。
果たして羊君は無事に夜雨をしのげられたのでしょうか?
BPM :108
拍子:12→1のように拍が1ずつ減算(イントロの逆再生部分は12拍子+6拍分の間)
序とは逆に拍が一つずつ減っていって最後に1拍子で解決していきます。
単純に構成を逆にするのは味気ないなと思ったので、これまた土壇場で逆再生部分を加えました。
尚、参加当初から「Morph EPに参加するんだから曲に「○○morph」なプラグイン ・サンプルパックを使ってみようじゃないか!」と思っていて、
パート間の繋ぎの部分にはデザイン・コンセプトが個人的に大好きでほぼ全ての製品を買っているGlitchmachines 製のサンプルパック「Biomorph 」 を全面的に使っています。
他にもDynamic Tonality製の微分 音も扱える幾何学 ループ・ジェネレーター「XronoMorph 」
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Melda Production製の二音源間モーフィング・エフェクト・プラグイン 「MMorph 」
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を導入していたのですが、上手くトラックに馴染ませることが出来ないまま終わってしまいました・・・・・・どっちも面白いプラグイン なので今後は活用していきたいですね。
この他にも「○○morph」なプラグイン ・サンプルパックはあるのですがどれも高かったり(KONTAKT が必要だったり)したので導入を見送っています。
④後書き
最後に、主催・イラスト担当のMorph氏、曲担当の難波拓哉氏(こちらの勘違い等で色々と手間取らせてしまってすみませんでした)、そして素敵なイラストを描いてくださった估珀滔氏に最大の感謝をいたします。
初のWEB ALBUM曲提供ということもあり完遂することが出来て自信が一段階上に付いたかなと実感しております。
うおおー、参加してホントに良かった!!!!!!!!!!!!
P.S.ちなみにパート5は本来の拍子構成は「12→1→12のように拍が1ずつ減算・加算」だったのですが、制作中にいつの間にか失念して逆になってしまいました(ナニヤッテルンダ)
このまま無かったことにするのも自分の中では半端な感じがするので、上記の拍子構造を持った外伝的な曲(パート)を制作予定です。